写真展: 櫻間會の能舞台
櫻間會(東京)協賛
櫻間會(東京)協賛
能舞台(能楽)は、独自の様式をもつ能舞台に、能面を用い、舞に高められ抽象化された演技と、謡と囃子による音楽要素の融合された演劇です。 14世紀から 15世紀にかけて、 観阿弥(1333年-1384年)とその息子の世阿弥(1363年-1443年)によって創設され、現在に至るまで伝統的な形態で存続しており、世界で最も古い演劇形態の一つとされ、2008年からユネスコ世界無形文化遺産にも登録されています。 完全な分業から成り立っており、謡と演技を担当するシテ方・ワキ方、地謡や小編成された伴奏担当の囃子方がいます。 能の題材には、日本の古典文学やそれをモチーフにしたものが多く、その中で超自然的な存在が人間の姿に変身して物語を語るというのが一般的です。 能にとって最も重要な道具は、能面・装束で、他にも厳しい身体訓練を積ん役者や演奏者が使用する道具があります。 感情は動作によって伝え、様々な感情を表すために、感情ごとに動作の決められたパターンがあります。役者は、鬼女の般若、若い美女の小面、老体の神の白色尉、鬼の小べしみ等の能面をつけることでその役柄に扮します。 世阿弥の娘婿である金春善竹(1405-1468年?)が基礎を固めた、金春流の櫻間會は、現存するさまざまな能楽師の中でも、櫻間右陣を家元とする伝統ある一門とされ、その系譜ははるか昔にさかのぼる。 16世紀後半 から 17世紀にかけて、有力な武家である細川家に仕えていた。 右陣の祖父は、1970年より人間国宝に認定されている櫻間道雄。 第21代の現当主・櫻間右陣は、櫻間家としての伝統を受け継ぎつつ、新作能や企画公演を手がけながら、海外への能楽紹介にも尽力している。 この写真展では、櫻間會が保有するスナップ写真を通し、櫻間家の役者たちがそれぞれの場面で、役柄に応じた衣装や能面を身に着けている様子を紹介します。
写真:『知章』より. 甲冑姿の知章の幽霊が出現が出現する場面。 © 櫻間會