講演会『日本の伝統色 第六部』(ドイツ語) 2026年11月24日(火)19時
日本の多様な自然と四季折々の豊かな色彩は、古くから日本人の美意識に大きな影響を与えてきました。中国からは、陰陽思想に基づく「五色」、赤・青・黄・白・黒という、五行思想と結びついた色彩観が伝わりました。自然の美しさや儚さに触発され、日本では植物や動物にちなんで色名が付けられ、詩にも詠まれてきました。こうして、多彩な色のニュアンスをもつ「日本の伝統色)」が発展し、今日に至るまで幅広く用いられています。色は、宮廷での位階や社会的身分を示す役割も担っていました。西洋における紫のように、特定の色が限られた階層の人々だけに許されていたこともあります。平安時代には、宮廷衣装の重ね着の色合わせが、教養と優雅さの象徴とされました。この美意識は、21世紀の現代においても、着物に合わせる小物のコーディネートに受け継がれています。さらに、江戸時代以降には、新しい染色技術や製法が登場し、色彩表現の可能性は一層広がりました。色は感覚に訴え、感情やメッセージを伝えるものとして、宗教・文学・美術・工芸・日常生活など、日本文化のさまざまな場面に息づいています。
この講演は、2026年前半に始まったオンライン講座シリーズの続編として、日本の伝統色について、その由来・意味・使われ方をさらに掘り下げ、多くの写真資料を通して現代まで続くその魅力を紹介します。
連続講演ですが、予備知識がなくても個別に参加できます。参加は無料で、メールでの事前申込が必要です。申込者には、各回の1〜2日前にZoomのリンクが送られます。
写真:青のバリエーション~金彩を施した上品な青(香蘭社のアイリス模様の花瓶)、釉薬をかけた酒器、模様入りの木綿の手ぬぐい © Ruth Jäschke