阿弥陀堂

内陣の中央には、浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来の木造立像が安置されています。 向かって右の脇壇には、13世紀に日本の浄土教に決定的な形を与え、 浄土真宗の宗祖となった親鸞聖人(1173-1262)の絵像が 掛けられています。 左の脇壇は、15世紀に第8代門主として、 浄土真宗を大きく発展させた蓮如上人(1415-1499)の絵像です。 右側の余間の床の間には聖徳太子(552-621)、 左側余間には浄土真宗の七祖の掛け軸があり、 七祖とは、インドの二人の菩薩、龍樹(西暦200年ころ)・天親(5世紀)、三人の中国の祖師、曇鸞(476-542)・道綽(562-645)・善導(613-681)、そして源信(942-1017)、法然(1133-1212)の二人の日本の高僧です。
法然は親鸞に念仏の道を説いた師です。中央の上方に掲げられた「惠光」という寺号を記した額は、知恵と慈愛に満ちた仏の無量光を意味しています。仏壇を前にして、まず私たちの目に迫ってくるのは、その溢れるばかりの黄金色です。こうした彩色は、中国や朝鮮の伝統的な宮殿建築に由来するが、この仏壇全体は西方浄土そのものを再現しようとするもので、ここに満ちる黄金の光は、衆生を救おうと歩みよる阿弥陀仏から輝き出る無量の光です。
金地濃彩の左右の襖には、 阿弥陀仏の西方浄土が描かれています。襖絵は、屏風と並んで場の荘厳の中心をなしています。この金箔と濃彩の色感が濃密な空間を形成する15世紀の狩野派による豪華な画風は、その後の日本絵画に大きな影響を与えました。
この襖絵も、背景の黄金色の効果によって容易には統一がとれないような色彩のコントラストがバランスのとれた調和、安定へともたらされ、奥行きを抑えた中に、岩石や竹の茂み、なだらかな野や川が空間を凝縮させ、 孔雀や牡丹の花が見る者の方に迫り来るような印象を与えています。阿弥陀如来が、その絵を見る者へとまさに「来迎」するのです。
阿弥陀堂の地下には、日本のほかの伝統的宗派が儀式や修行を実践できる講堂があり、ここの仏壇は、釈迦如来、大日如来の絵像などが掲げられる可変式のものになっており、様々な仏教宗派のお勤めや催事が行われています。

日本家屋

正面玄関に接続した書院造の日本家屋は、東京都下からそっくり移築されたものです。和室の床に敷かれている畳(90 x 180 cm)は、ほぼひとりの人間が横になれる大きさが基準で、この畳の寸法の人間的な比例が単位として、建物の全域に行き渡り、それに独自の統一性を付与しています。

壁は薄い詰め物に過ぎず、動かすこともできるし、完全に取り除くこともできます。 畳は、床の間や飾り棚のように、カーペットや家具のような後付けのものではなく、家そのものの一部なのです。 この建物では、構造と装飾は異なるものであるため、建築中に空き箱のようなスペースができることはありません。

内庭と建築の関係は共生的なものです。 『庭』は、外壁、内部の主要な建物群、そして屋外の植え込みの3つの要素で構成されています。 家の内部は直角が主体で、曲線やしなやかなラインはありませんが、家からゆっくり眺めることのできる植物や景観のゾーンは、軸対称のニュアンスとは無縁の、ある種コントロールされた野生性に溢れています。 壁が可動式な為、家から庭への眺めは、規則性がなく、長い断面として、また大きな掛け軸状の風景画として、さまざまな方法で「額装」することができるようになっています。 しかし、家の外に続く敷石は、ここが「定位置」の庭であるだけでなく、「動き」のある庭でもあることを示しています。

庭園

庭園 (阿弥陀堂前)

山門をくぐると、左手には参拝者が身を清める水屋があり、現世に極楽浄土を表現する庭園「浄土庭園」が広がっています。惠光センターの庭園では、石庭の趣も取り入れられ、 遣水や池などの水辺の一部は石によってあらわされています。特別な催事の際には、実際に水を流すことも可能です。

山門の正面に位置する太子堂には、2002年に長岡和慶氏によって寄贈された聖徳太子孝養像が祀られています。これは、日本に仏教興隆の礎を築いた聖徳太子(574年~622年)が 父君・用明天皇の病気平癒を祈願した姿で、 袍を着、その上に袈裟をつけ、右手に笏、左手に柄香炉を携えていることから真俗二諦像とも呼ばれ、在家仏教の道を開いた太子の尊像として篤く敬われています。

惠光センターの庭園では、石庭の趣も取り入れられ、 遣水や池などの水辺の一部は石によってあらわされています。山門の正面に位置する太子堂には、2002年に長岡和慶氏によって寄贈された聖徳太子孝養像が祀られています。これは、日本に仏教興隆の礎を築いた聖徳太子が 父君・用明天皇の病気平癒を祈願した姿で、袍を着、その上に袈裟をつけ、右手に笏、左手に柄香炉を携えていることから真俗二諦像とも呼ばれ、在家仏教の道を開いた太子の尊像として篤く敬われています。
センターの建造物のなかで特に目を引くのは、やはり本堂でしょう。この本堂は、東京都宇都宮市にある惠光寺に倣って、日本の浄土真宗寺院のほとんどの本堂と同様に伝統的様式を示しています。 本堂横の鐘楼では、大晦日の晩、参拝者たちによって除夜の鐘が百八つならされます。本堂西側には「倶会一処」と書かれた石碑がたつ半地下の納骨堂があります。

図書館

日本、中国、インドの歴史/文化史、芸術、文学、哲学および宗教分野における研究のための一次資料、および二次資文献。 主に、 仏教研究が目的のもの。 仏教研究、重要資料(大正大蔵経、チベット大蔵経、パーリ仏典、Bibliotheca Buddhica、東洋の聖典等)、現代日本語訳も部分的にあり。
ハンス・フィッシャー=バル二コール文献:ハイデルベルク大学間文化研究所の間文化宗教学研究に関する書籍、多岐に渡る未発表の原稿や資料もあり。 学問研究に必要なもの(辞書や専門用語集、人名・書誌参照資料)および原典、さらに専門出版物や定期刊行物。
注意:閲覧には事前予約が必要です!

連絡先

ヤン=マーク・ノッテルマン=ファイル
☎ 0211-577918-224
📠 0211-577918-229
bibliothek AT eko-haus.de

催事スペース

本館

 

惠光ホール:

  • 展示会、コンサート、文化・言語コース、 セミナー、シンポジウム、講演会など。

セミナールーム3室(結合可能):

  • 文化・言語コース、セミナー、 ワークショップなど

小展示場:

  • 展示会

 

共生館(別館)

 

共生ホール:

  • 展示会、コンサート、文化・言語コース、 講演会など