期日

2026-06-16
19:00 - 20:00 H

内容

申込み開始日: 受付中
申込み先: kurse@eko-haus.de
開催形式: オンライン
参加費: 無料
主催者: 惠光センター
講師: ルート・イェシュケ

 

講演会『日本の伝統色 第一部』(ドイツ語)
2026年6月16日(火)19時

日本の多様な自然と四季の移ろいは、古来よりそれぞれに固有の色彩を生み出し、人々の美意識に大きな影響を与えてきました。中国からは、陰陽思想に基づく「五色(赤・青・黄・白・黒)」と、それらを五行と結びつける観念が伝えられました。
自然の美しさと儚さに触発され、日本では色名を植物や動物に由来させたり、和歌などで詠みあげたりすることが好まれました。こうして、多彩な色調をもつ「日本の伝統色」が発展し、現在に至るまで受け継がれています。

色は、宮中における位階や社会的身分を示すためにも用いられ、一部の色は西洋における紫と同様、特定の階層に限られていました。平安時代(794年~1185年/1192年)には、重ねの色目をはじめとする衣服の色合わせが、教養と優雅さを示すものとされました。この考え方は、21世紀の現代においても、着物に合わせる小物選びなどに色濃く残っています。
江戸時代(1603年~1868年)以降、新たな色や染色・製造技術の登場により、表現の幅はさらに広がりました。色は感覚に語りかけ、感情やメッセージを伝え、宗教や文学、芸術、工芸、日常生活など、日本のあらゆる場面で私たちに出会います。

このオンライン講座シリーズでは、日本の伝統色のいくつかについて、その由来・意味・用法を紹介し、多くの図版とともに解説しながら、現代に至るまでの色の魅力をたどります。
3回のシリーズ全て、互いに関連していますが、予備知識がなくても各回を個別に受講いただくこともできます。

写真 :金蒔絵の竹文様を施した赤漆塗りの抹茶用棗(なつめ)@ ルート・イェシュケ